WC-9

 最後の魔法は黒魔術だった。
 ジダンが決勝戦の延長戦後半に放った最後の魔法は,必殺ヘッドバットだった。現場を主審が見ておらず,ブフォン等イタリア選手が指摘,線審に確認の上,レッドカードで一発退場。マテラッティに一体何を言われたのか分からないが,サッカー界の英雄的存在であるジダンの,現役最後の姿がヘッドバットとは,何とも言葉にならない瞬間だった。当然ながら,柱を失ったフランスはPK戦の末に敗れ去った。
 その反則の直前に放ったヘッディングシュートは素晴らしかった。あともう少し左へ行っていれば,決勝点になっただろう。その瞬間やや苦笑いしていた様に見えたジダンは,確かに英雄だった。
 イタリアは傑出した選手が居なかった分,チーム一丸となって戦い,前評判を覆して着実に勝ち進んで優勝をもぎ取った。個人的な感情は置いといて,アズーリの戦士達には心から拍手を送りたい。
by kakera365 | 2006-07-10 09:13 | スポーツ | Comments(0)
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