次の写真は、このゴールデンウィークに行った小川山でのものです。
「コンケーブ」を登る「おうじ~ず」の若者ですが、後ろに置かれたクラッシュパッドの数には、正直ヒキます。 まぁ、横に並んでいるのは、隣で「三日月ハング」や「TWO MONKS」をやっているからですが、それにしても敷き過ぎでは? それに、後列に敷かれたのには、何の意味があるのでしょうか? 確かに、安全面だけ考えれば、大量に敷くに越した事はありません。けれども、クライミングは危険な行為である事は前提条件です。クライミングが危険で無いなら、誰もやらないんじゃ無いでしょうか? ルートでクラッククライミングが復活して来ているのも、アルパインでボルトレスが主流になっているのも、クライミングの原点である「よりハードに、よりクリーンに」が根付いているからだと思います。ボルダリングだけが「より安全に」が幅を利かせて、「クラッシュパッドは敷かなければならない」と、思い込まされてませんか? 「より安全」を考えるならば、落ちない様に登る>登れなければ降りる>落ちるのではなく安全を確認して飛び降りる、等の技術を磨く事も絶対に必要だと思います。それでも不意落ちした時の為に、保険としてクラッシュパッドを敷くのでは無いでしょうか? 個人的には、スポーツ化したクライミングと本来の登攀とは方向性が違うとは思います。だからと言って、どっちがどうと言う積りはありません。ただ、登攀スタイルを見て、その人が「登る先に何を見ているのか?」を窺い知る事が出来ます。 また、「よりクリーンに」を考えた時、下の2枚の写真を見て、皆さんはどう思いますか? クラッシュパッドはやっぱり不自然だし、美しくない。所詮は人工物なんです。 それに、私もクラッシュパッドは持ってるし、結構普通に敷いてるので、余り偉そうな事は言えませんが、中にはクラッシュパッドは使わない人も居る訳で、相手に良かれと思ってした行為が、逆に迷惑になる事もあります。クラッシュパッドを敷く位置によっては危険度が増す事もありますし、スポットに入ると、降りるのに邪魔になる場合もあります。 室井登喜男は足拭きマットだけで、10m位の段クラスの課題を普通に登ります。勿論、五段を登る時も同じです。これは本当に、ボルダリングの理想のスタイルだと思います。 将来、「よりハードに、よりクリーンに」がボルダリングに浸透して来た時には、クラッシュパッドを敷かない事が称賛され、上級者が目指すスタイルになっているのでは無いでしょうか? 貴方は漫然とクラッシュパッドを敷いてませんか? 自分のクライミングについて、一度じっくり考えてみたら如何でしょうか?
by kakera365
| 2009-05-20 23:52
| クライミング
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Comments(8)
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あるボルダラーの意見
at 2013-03-08 13:00
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クラッシュパッドの敷き過ぎは確かに美しくありませんね。
しかしながらクラッシュパッドを敷かないでハイボールを登る行為は果たして「勇敢」なのでしょうか。 僕は「無謀」と感じます。 落ちる技術を磨いてたとはいえ、万が一があったらどうするのでしょうか。 ジョン・バーカー等有名クライマーも万が一で命を落としています。 上級者に万が一が無いと言い切れるでしょうか。 死ねば、他人に迷惑がかかります。 家族に、知人に。 そして余りにもけが人が増えればクライミングは反社会的スポーツとみなされかねません。(今でさえ危険なスポーツという認識が強いのに) クラッシュパッドを排除しようとする思想は、非常に危険な思想だと思います。 それこそ、ボルダリングをやる人が減ってしまいます。
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あるボルダラーの意見
at 2013-03-08 13:00
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ルートとボルダリングは別です。
ルートでは岩を直接傷つけることもさる事ながら、考慮に考慮を重ねてるとはいえ、そこにホールドがあったかもしれない、そこをスメアとして使えたかもしれない部位にボルトを打ち付けます。 ゆえに、よりクリーンに登ろうとする動きが生まれたのです。 室井さん、アサギマダラの初登時にトップロープで試登してから登ったそうですね。 本番はマット無しとはいえ、それは大量のパッドを敷いてグラウンドアップで登るより果たして素晴らしいスタイルなのでしょうか。 僕はミズガキに行く度に感動します。 一見不可能にしか見えない困難なラインを見る度に。 そこに室井さんの執念と情熱を感じるからです。 決してパッド無しに登るという行為に対して、感嘆の念を抱いたことはありません。
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kakera365 at 2013-03-10 22:46
>あるボルダラーさん
真摯な御意見ありがとうございます。 ここでは敢えて、個々の指摘について同意したり反論したりはしません。 何故なら、価値観や理想のスタイルと言うのは、個人によって全く違うからで、どうやっても相容れない部分はあると思うからです。 私がこの記事を書いたのも、自分の思いと現状との乖離がそもそもの原因ですが、だからと言って自分の考えを他人に押し付けるつもりは全くありません。あくまでも問題定義的な意味合いで書いたつもりです。 ですから、あるボルダラーさんが書き込みしてくれた事を嬉しく思いますし、御意見も多くの部分で納得が出来る内容だと思います。 私はクライミング歴もそんなに長い訳でも無いし、勉強不足でまだまだ知らない事、分からない事が多々あります。これからも御意見、御指摘を受けて知識を増やし、自分のクライミングスピリットを練り上げて行ければと思いますので、今後とも宜しくお願いします。
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kakera365 at 2013-03-10 22:47
P.S.
室井さんの件についてですが、瑞牆はその気候から苔が多く、開拓時にはトップロープでブラッシングしなければ、とても登れる様な状態では無い岩が多いそうです。そして、ブラッシング時には当然ホールドを探しながら掃除をするので、ホールドに触ってしまう事もあるそうです。しかし、決してハングドッグでムーヴを探ったりはしておらず、掃除が終われば下からムーヴを組み立て、何度も落ち続けた後、岩の頂点に立っていると聞きました。
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通りすがり
at 2013-07-25 11:03
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素敵な問題定義だと感じました。
一点。様々な議論や思想を招きかねない状況で、 団体名や個人の顔写真を載せるのは、強い主観を作ってしまうので絶対にやめた方がよろしいかと思います。 あくまで中立的に問題定義を進める方が、 内容に入り込みやすいです。
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kakera365 at 2013-07-25 11:45
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なおっぴ
at 2014-10-16 11:37
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kakera365 at 2014-10-16 12:21
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