畏敬の念

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 昨日、信じられないニュースを聞いた。
 熊野古道のシンボルとも言える「牛馬童子」の頭部が、何者かに破壊され持ち去られたと言うのだ。
 私は以前より大峯山系の山々が好きで、良く登りに行っており、何度も訪れる内に自然と修験道に興味が湧いて、役行者や熊野信仰について本等を読んだりして勉強もした。何年か前には吉野から熊野まで大峯山脈を縦走する「奥駈」にも行った。そんな事から「熊野古道」にも非常に興味を持っており、何度も行く計画を立てたが、世界遺産となって観光客が押し寄せる様になって、一気に熱が冷めてしまい、残念ながら行かず仕舞いとなっていた。
 熊野古道について勉強する様になって、是非とも訪れて見たい場所の一つに、この「牛馬童子」があったので、今回の事件を聞いた時は、信じられない気持ちだった。何が信じられないかと言うと、一つは貴重な文化遺産が破壊された事に対するショック。もう一つが「日本人もここまで落ちたか」と言う思いだった。
 日本人は元来信仰心が篤く、八百万の神と言われる様に、自然界の様々な物に神を見出して崇め敬って来た。針一本にさえ神が宿ると考え供養までする、そんな民族だった筈だ。しかし、最近では、神社仏閣に落書きをしたり、仏像を盗んだり、仕舞いには世界遺産にある石像を破壊する者まで出て来てしまった。頭部だけを持ち去ってどうするのか分からないが、どうしようもない人間が増えてる事が悲しい。「畏敬の念」と言うものは持ち合わせて無いのだろうか?
 もうこの石像は二度と元には戻りません。頭部が発見されてくっ付けても、完璧なレプリカを作成しても、牛馬童子に刻まれた歴史を作り出す事は出来ないのです。

 まぁ、何れにしても他人の気持ちを踏み躙って悪事を働いた輩には、間違い無く天罰が下るでしょう。
by kakera365 | 2008-06-20 22:48 | Soliloquy | Comments(0)
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