ROCK&SNOW077

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 新しいロクスノの特集は「英国のクライミング」。

 正直、特集と呼ぶには少々ページが少ないと思うが、それでもジェームズ・ピアソンの軌跡やスティーヴ・マックルーアのインタビューは、充分に読み応えがあるし、倉上君の記事もなかなか興味深い。そして、英国在住の坂野氏によるトラッドグレードに関する文章は、非常に分かり易く英国のグレードシステムを解説しており、自分自身のトラッドクライミングに対する考えを深めるのに、とても為になる内容だ。最近は日本でも、トラッドクライミングに傾倒するクライマーが増えつつあるので、倉上君には英国の精神をシッカリ学んで頂き、帰国後に登攀や講演会等でドンドン啓蒙して欲しいと思う。

 注目のアレックス・オノルドによる「フリーライダー」のフリーソロについては、次号に詳しく掲載されるであろう。
 その他では、これもページ不足を感じるが、スロベニアトリオによるアルジュナ西壁の記録や、平山ユージの「フェロー諸島での日々」もなかなか面白い。シューズ特集のフレッド・ニコルやシャルル・アルベールの記事も必読だろう。あと、知人関係だが「NIYODO LOVER」や日ノ御埼のルーフクラック、七種滝の登攀等は楽しく読めた。

 ただ、毎回思う事だが、「ROCK&SNOW」と言いながら、アルパイン系の扱いがぞんざいなのが気になる。Giri-Giri Boysによるベアトリス、K7での登攀記録は、時間が無かったかも知れないが、もう少し紙面を割いても良いのでは無いか? また、ホレチェク達によるガッシャブルムI峰南西壁の登攀も、池田さんが「ON THE SCENE」で紹介しているものの、もう少し詳細な記載があっても良いのではと思う。

 最近はクライミングの幅も大きく広がり、エクスペディションからスポート、沢登りやアイス、滑降等、様々なジャンルを百数十ページに詰め込むのは大変だろうが、やはり冒険と言う本質を柱にして読者にドキドキ、ハラハラを伝えないと、読み物としての価値は知れてしまうのでは無いだろうか?


 シューズテストやトレーニング理論が無意味とは言わないけど・・・・・
by kakera365 | 2017-09-11 00:06 | クライミング | Comments(0)
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