ROCK&SNOW070

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 この秋、3つのビッグクライムがあった。竹内俊明による「アサギマダラ」の第3登、倉上慶大の「千日の瑠璃」初登と佐藤裕介による第2登、そして大西良治による台湾豐坪溪の完全遡行。
 竹内君の登攀については今号にインタビューが掲載されており、その中でトラッドへの興味も示され、今後がとても楽しみだ。大西君の登攀については次号に詳細が掲載されるだろうが、これも非常に楽しみで、今からワクワクする。

 然し、今号のハイライトはやはり、倉上君による「千日の瑠璃」に尽きる。彼の徹底したスタイルへの拘りは、感心を通り越して感動的ですらある。グランドアップを諦めて懸垂を実行する時の長い躊躇から、心の葛藤が痛い程伝わって来る。本当に素晴らしいクライマーが現れたものだ。
 そして、あの十一面岩にこんな手付かずのラインが残されていたとは、驚きと共に、先人クライマー諸氏のこの瑞牆と言う岩場に対する開拓の思想に、敬意を表さずにはいられない。室井登喜男が2002年に初登した「霧の中で」から始まり、2008年発表のボールド三部作「愁いの王」「眩暈のする散歩」「果てしなき荒野」に込めた、「ミニマムボルト最後の砦を死守したい」との思いは、心あるクライマー達に引き継がれ、そして今回の「千日の瑠璃」で、一気に花開いた形だ。
 この登攀に対して、内藤さんは「新たな次元のステージ」と書かれているが、本当に今迄の日本のクライミング概念を超越した登攀だと思う。そして、「この登攀に心動かされないなら、クライマーを名乗る資格はない。」との言葉は、少々厳しいがその通りだと思う。
 最早、憧れを持って眺める事しか出来ない私だが、心意気だけは倉上君に近付ける様に精進したい。


 今号にはその他にも、良い記事が多く掲載されており、「ソロクライマーの系譜」「辺クラレポート」、ソニー・トロッターや中嶋徹の記事等は必読だろう。

 毎号こう言う内容なら、気持ち良く1,400円払えるなぁ(=゚ω゚)ノ
by kakera365 | 2015-12-05 11:26 | クライミング | Comments(0)
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